我々が誕生を喜び、葬式を悲しむのは何故か?我々がその当人でないからだ。
マーク・トゥエン
音楽には、純粋に表現の愉しみという部分のほかに、機能的な側面があります。
人々をアッパーにして、騒音の中に思考停止させ、ゲームに集中させるためのパチンコ屋のBGM、お目当ての人をその気にさせる、ムーディな音楽、辛い綿花畑での労働を慰安するブルース、人々に神の国の存在を感じさせる宗教音楽というものもあります。
中でも、人の死を生者が弔うための音楽は、もしもクラシック音楽に機能性を求めるとしたら、無視できないいちジャンルであり、それら「レクイエム」と言われる一連の楽曲は、実際に葬式に使うかどうかは別として、特別な聴かれ方をしてきました。
残された人たちの慰安でもあり、また、生きている自分が、メメントモリ(死を想う)するために、作曲家たちはどういう音の世界を用意したのでしょうか?!
「生まれ故郷のニューオリンズについて、中学生の時に調べて以来、葬儀祭礼の音楽に惹かれ続けていた」という、華恵さん。
その音世界を追求したい、という欲望のもと、現役で芸大音楽部楽理科に進み、現在、NHK BSプレミアム『世界遺産〜一万年の叙事詩〜』のナビケーダー(考えてみれば、これもデス関係)も努めている彼女とともに味わう”弔い”の世界。
楽理科ならではの音響と感情の話題も、今回の見ドコロ、です。
●予定の曲目たち
・作者不明 サカラメンタ提要より
・ピエール・ド・ラ=リュー <オッフェルトリウム>、<サンクトゥス>
・モーツァルト レクイエムから <怒りの日>、<涙の日よ>
・モーツァルト <フリーメイソンのための葬送音楽>
・ブラームス ドイツ・レクイエムから <悲しんでいる人々は幸いである>
・ラインベルガー レクイエム ニ短調 Op.194
・ブラームス 間奏曲イ短調 作品76-7
・ブラームス 2つのラプソディ 作品79〜第一番 ロ短調
・ベートーベン ピアノソナタ第12番 第3楽章
・ショパン ピアノソナタ第2番 変ロ短調第3楽章
・ベートーベン 悲愴ソナタ 第二楽章
・シューマン 子供の情景Op15-7 トロイメライ
・A・ロイド・ウェッバー レクイエムから <ピエ・イエズ>
・武満徹 <弦楽のためのレクイエム>
・メンデルスゾーン <『夏の夜の夢』 葬送行進曲>
・グノー <マリオネットのための葬送行進曲>
・フォーレ レクイエム <オッフェルトリウム>、<アニュス・デイ>
ゲスト
華恵(はなえ)
1991年4月28日アメリカ生まれ。
6歳から日本に住む。10歳からファッション誌でモデルとして活動。
2000年、2001年、全国小・中学校作文コンクール読売新聞社賞を受賞。
2002年全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞。
2003年12歳で『小学生日記』(プレビジョン)を刊行し、エッセイストデビュー。
『本を読むわたし』(筑摩書房)、 『寄りみちこみち』(角川書店)、『華恵、山に行く。』(山と渓谷社)等を刊行。
最近では、NHKBSプレミアム「世界遺産~一万年の叙事詩~」のナビゲーターを務めた。
現在、東京藝術大学音楽学部楽理科3年に在学し、音楽理論や音楽史、音楽民族学などを学ぶ。
連載中のエッセイに、『小説すばる』(集英社)「色と音の間で」、『紡』(実業之日本社)「今日何食べた?」等。
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席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)
著述家、ディレクター。
著作に『女ひとり寿司』(幻冬舍文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)、近著に『ビッチの触り方』(飛鳥新社)。
ジェンダー、音楽、ファッション、アート、グルメなどを、大胆に横断し、ユーモラスに分析する筆致にはファンが多い。
父君がクラシック作曲家、湯山昭という環境に育ちつつも、ハマったのはクラブミュージックで、著書『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)は、クラブ文化を都市や歴史風土の観点から分析、論考を行った。
坂本龍一との対談が、雑誌『ゲーテ』、webマガジンcommmonsで連載中。
日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。
湯山玲子presents
爆クラ <第12夜>「レクイエム お葬式!!」
席亭:湯山玲子
ゲスト:華恵
開場:19:15
開演:20:00
料金:¥2,500+ドリンク代
学割:¥1,000+ドリンク代