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PICK UP
湯山玲子presents 爆クラ「父と娘の音楽〜湯山昭」

芸術家とはつねに自分に耳を傾け、自分の耳に聞こえたことを、自分の心の隅に素直な気持ちで書き留める熱心な労働者である。
ドストエフスキー

「子どものための」とうたわれてはいますが、ドビュッシーやバルトークを彷彿させるような複雑系。
キャッチーでリリカル、そして都会的なメロディーが魅力的な湯山昭の音楽。思えば、席亭、湯山玲子が生まれる前から、そして子ども時代にいつも家中に鳴り響いていたのが父の音楽であり、気がつくとその「音楽」が、席亭自らのすべての芸術表現に触れる時の基準になっているという事実。
(バート・バカラックを同根として、フランス近代音楽は兄弟姉妹、民謡ならばホーハイ節、といったような…) 男声合唱の恐るべき官能性と暴力性が表現された『ゆうやけの歌』、個性ある楽器のぶつかり合いに、クールと幽玄が立ち上る『マリンバとアルトサクソフォンのためのディベルティメント』、フォーレもかくやというメロディーの嘆美に酔える「 ヴァイオリンのための『小奏鳴曲(ソナチネ)』などが、ぜひ、爆音でプレイしてみたい湯山昭世界。
その音楽の魅力を、クラブミュージックもロックもこの身を通ったオトナになってから分析すると?という批評に加え、家の中にひとり作曲家がいる、ということは、どういうことのなのか、という評伝的興味までを語り、たっぷり聴いていきます。

 
●予定の曲目たち

・男声合唱「ゆうやけの歌」
・混声合唱とピアノのためのバラード「コタンの歌」
・マリンバとアルト・サクソフォーンのためのディヴェルティメント
・子どものための交響組曲
・女声合唱とピアノのための組曲「葡萄の歌」
・女声合唱「愛すること」
・ピアノ曲集「お菓子の世界」
・童声合唱「四国の子ども歌」
・声楽「子供のために」
・ ヴァイオリンのための『小奏鳴曲(ソナチネ)』
・童謡「あめふりくまのこ」

ゲスト
湯山昭(ゆやまあきら)

1932年生まれ。
東京芸術大学音楽学部作曲科に入学。
池内友次郎に師事。
在学中よりNHK・毎日新聞社共催の音楽コンクール(現在の日本音楽コンクール)に連続して入賞し頭角を現した。
主な作品に芸術祭再大賞を受賞した合唱組曲「コタンの歌」や「マリンバとアルトサクソフォーンのためのディベルティメント」などがあるほか、「あめふりくまのこ」「おはなしゆびさん」に代表される多数の子どもの歌があり広く愛唱されている。
また、現在135版という楽譜セールスでは比類の無い売り上げを記録しているピアノ曲集『お菓子の世界』をはじめ、多くの合唱曲などを通じて、クラシック音楽分野において、最も人々に愛された楽曲の数々は、フランス近代音楽の香気に満ち、斬新で都会的なメロディーラインと、リズム感覚に溢れている。
2003年、旭日小授章・2012年1月には、ウィーン楽学友会館ホールにて、湯山昭作品の個展演奏会が行われた。

席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)

著述家、ディレクター。
著作に『女ひとり寿司』(幻冬舍文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)、『ビッチの触り方』(飛鳥新社)。
近刊に上野千鶴子との対談集「快楽上等!3.11以降の生き方」(幻冬舎)。
ジェンダー、音楽、ファッション、アート、グルメなどを、大胆に横断し、ユーモラスに分析する筆致にはファンが多い。
父君がクラシック作曲家、湯山昭という環境に育ちつつも、ハマったのはクラブミュージックで、著書『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)は、クラブ文化を都市や歴史風土の観点から分析、論考を行った。
坂本龍一との対談が、雑誌『ゲーテ』、webマガジンcommmonsで連載中。
日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。

10.17(水)
湯山玲子presents
爆クラ<第16夜>
「父と娘の音楽〜湯山昭」

席亭:湯山玲子
ゲスト:湯山昭

開場:18:15
開演:19:00

*ゲスト高齢のため、通常よりも一時間早い開始となります。

料金:¥3,000+1ドリンクオーダー
学割:¥1,500+ドリンクオーダー

予約をぜひ!