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Warehouseと柳原 足らズ          「3人でじたばたしてみる日」

WAREHOUSEと柳原

<プロフィール>
 ガラス細工のように繊細でありながら、大道芸のように庶民的。かと思えば前衛的な即興演奏もあり、けれども聴き終えたときには、なんだかとっても愉快な気分になっている。思わず、往年の映画解説者にちなんで「いや~、音楽って本当にいいですねぇ~」などと言ってみたくなる、さまざまなジャンルを軽やかにひとまたぎした諸国空想音楽団とでも呼びたい”Warehouseと柳原”——。

 というバンド名らしからぬバンド名を持つこのグループ、それもそのはず、始まりはインスト・バンド”Warehouse”のゲストボーカルとして”柳原陽一郎”がライブに参加したことが、そもそものきっかけ。思えば、その出会いは初めから幸せなものだった。
 なにしろ、かたやギタリストの鬼怒無月が、即興演奏のアンサンブルを中心とするアヴァンギャルド・バンド”Bondage Fruit”で共に活動する高良久美子(per)&大坪寛彦(b)と結成した自由度の高いインスト・バンド”Warehouse”。一方、これまた奇想天外な音楽で日本中の目と耳を釘付けにしたバンド”たま”を経て、ソロ・アーティストとして活動している柳原陽一郎。
 といった両者である、どう見ても相性の悪いはずがない。そして、その両者を結びつける言葉が”諸国”と”空想”だったわけである。4人が4人ともスタイルではなく肌合いや感触で音楽を捉え、イマジネーションを大切に音を紡ごうとする。まさに会うべくして会った、4人のミュージシャンだった。

 結果、2004年末の初顔合わせライブでお互いにリスペクトし合って以降、ライブでセッションを重ね、曲を作り、2006年にはコラボ・アルバムの『LADIES AND GENTLEMEN!』をリリース。音楽ファンを中心に高い評価を得ることになる。その後も年に数回ライブをしてはイタリア歌曲、アラブ音楽、ラグタイム、リズム&ブルース、スタンダード・ナンバー、昭和歌謡……と、ジャンルの縦横無尽感はさらなる進化を遂げつつある。

 というわけで2012年6月の新世界でのライブでは、田端義夫やフランク永井などの昭和歌謡を”W&柳”流にカヴァー。温故知新ならぬ温故作新の妙味をたっぷりと味わわせてもらった。
 そんな彼らの11月のライブは”Warehouseと柳原”始まって以来初の、なんと高良久美子のいない男子3人によるトリオ編成。一見草食系に見えていながら男臭い一面を出してくるのか、それともおバカ度全開でくるのか、意外にスタイリッシュに決めてくるのか……。たぶん当の本人達も見当がついていないのだろう”Warehouseと柳原−1”のライブ。めったに見られない、もしや最初で最後となるやも知れぬこのトリオ、この機会にご覧になることを心よりお勧めいたします。
http://yananet.com/wandy/index.html

11/11(日)
Warehouseと柳原 足らズ「3人でじたばたしてみる日」

【出演】
柳原陽一郎(vo.pf.g.ac)
「Warehouse」 −1(マイナス・ワン)=鬼怒無月(g.vo.harp)/大坪寛彦(b.vo.per.rec.uku)

開場 17:00
開演 18:00

料金
予約/¥3,000+ドリンク代
当日/¥3,300+ドリンク代