空の美貌を 怖れて泣きし幼児期より
泡立つ声の したたるわたし
春日井健
クラシック音楽には、多面的な魅力があります。ひとつはオーケストラが奏でる音響であったり、楽器と楽器が織りなすハーモニーであったり、曲自体のまるで建造物のような構造だったりします。しかし、実のところ、音楽が最も人の心をつかんでいくのは、クラシックに限らず、旋律=メロディーなのではないでしょうか。
過去の「爆クラ」の中でも、当たり前のように扱われながら、ことさらに取り上げることがなかったメロディー。どういう形でやってみようか? と考えたときに、コシミハルさんの存在がひらめきました。
音楽家のご両親の元、3歳でピアノをはじめ、6歳で作曲を始めていたコシミハルさん。 先月、1930年代から40年代を中心としたスタンダード、シャンソンなどを、シネマトグラフのような華麗な響きで蘇らせたアルバム『マダム・クルーナー』も素晴らしかった。
「クラシック音楽もポピュラー音楽も美しいメロディーはみんな一緒」と彼女は語っていますが、まさにそのセンスこそ、クラシック音楽のメロディーを考えるのに相応しい。はっきり言って、彼女の『アヴェ・マリア』や『野ばら』は、クラシック音楽の表現として、今在るべき姿のひとつです。
コシミハルを作り上げた、幼き頃の思い出の音楽、シューベルトやシュトラウス、フランス、ドイツ近代音楽、そしてその中にビッグバンド、映画音楽などを織り交ぜつつ、軽やかにメロディーの魅力とコシミハルさんの音楽の王国に分け入っていきます。
●予定の作曲家たち
Franz Schubert
Johann StraußⅡ
Louis Durey
Germaine Tailleferre
Arthur Honegger
Darius Milhaud
Francis Poulenc
Georges Auric
Jean wiener
Jean Françaix
Paul Hindemith
Erwin Schulhoff
あとは、当日のお楽しみ。
ゲスト
コシミハル
東京生まれ。
3歳よりピアノを習い始め、8歳より作曲を始める。
様々なミュージシャン(武満徹、細野晴臣)のための編曲、映画音楽、舞台音楽などを手がける。
1989年「今宵マドンナ」で広告音楽競技大会作曲賞受賞。
1997年から音楽とバレエ・ダンスをひとつに昇華したシアトリカルなステージ作品シリーズ“Musique-hall”の演出・振り付け・出演を行なう。
2001年、’30-‘40年代のジャズ、シャンソンを集めたカヴァー集「フルフル」をリリース。
2003年3月には「コルセット」をリリース。
11月には“Musique-hall”がベルリン・ジャズ祭招待作品として上演され、好評を博す。
2008年、オリジナル・アルバム「覗き窓」のリリースと並行して“Musique-hall「覗き窓」”を新国立劇場にて開催。
細野晴臣バンドのキーボード、アコーディオン奏者としてレコーディング、ライブに参加。
以降、現在も活動中。
2009年、NHKアニメ「バーディ」の音楽制作。
2011年、「シャンソン大流行」と題し、これまでにも取り上げて来たシャルル・トレネ、ジャン.サブロン、イヴ・モンタン,アンドレ・クラヴォーなど、シャンソンが最も美しかった時代の響きをピアノと歌の古いスタイルで演奏するヴィンテージ・ライブを開催。
2012年、「イヴニング・カフェ~母に捧ぐ」と題し、前年に引き続きシャンソン、ジャズのスタンダード、フランス近代歌曲などを演奏するライブを開催。
2013年、アルバム「マダム・クルーナー」を発表。
席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)
著述家。
著作に『女ひとり寿司』(幻冬舍文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)、『ビッチの触り方』(飛鳥新社)。
上野千鶴子との対談集「快楽上等! 3.11以降の生き方」(幻冬舎)。
近著に『ベルばら手帖 マンガの金字塔をオトナ読み』(マガジンハウス)。
ジェンダー、音楽、ファッション、アート、グルメなどを、大胆に横断し、ユーモラスに分析する筆致にはファンが多い。
父君がクラシック作曲家、湯山昭という環境に育ちつつも、ハマったのはクラブミュージックで、著書『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)は、クラブ文化を都市や歴史風土の観点から分析、論考を行った。
坂本龍一との対談が、雑誌『ゲーテ』、webマガジンcommmonsで連載中。
日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。
湯山玲子presents
爆クラ <第25夜>
「コシミハルとともに船出する、
メロディー王国への旅」
席亭
湯山玲子
ゲスト
コシミハル
door open/19:15
start/20:00
料金
¥3,000+ドリンクオーダー
¥1,500+ドリンクオーダー(学割)