官能の種付けをしてくれた人。
まさか、こういう作品にしてもらえるとは思っていませんでした。
リーディング作品を依頼したのに、出来上がったのはリーディングを入口にしたオリジナル作品で、そのオリジナル部分が、想像だにしない“高・赤裸々度”だったのです。
もちろんフィクションなのですが、そこにはきわめて細やか/濃やかな個人の妄想、願望、劣情が盛り込まれていて「ここまでやってくれますか」という衝撃がありました。
でもそれは、つくり手が自らを晒すことこそ官能の鍵だという、松井さんの矜持だったのかもしれません。
「松井周の作品は変態がキーワード」とよく言われますが、この『官能教育』を観ていただくと、それが一義的なものではないと、また改めて、決して浅いものではないとおわかりいただけると思います。
3年前、記念すべき第1弾で、新世界のステージ上に松井さんがイメージの精子を撒き散らしてくれたおかげで、その後も『官能教育』は素晴らしい子供を生み続けています。
松井さんにたっぷり射精させた上田遥さんも、引き続き出演してくれます。
貴重な再演を、ぜひご覧ください。
Produce lab 89 責任者 徳永京子
戻ってまいりました。
官能教育第一回目にやったのが僕らのサドのリーディングでした。
あれからもう三年経って、ずいぶんたくさんの方が
夜毎、六本木の新世界という地下室で
官能を教育してきたのだなと思うと感慨深いです。
僕自身、最近官能が足りてない気がします。
そういう自分を鍛え直す意味でも今回の再演はありがたいです。
サンプルの作品には出ないんですが、これには僕も出ます。
上田遥さんとしっかりトレーニングを積んで新たな官能にもチャレンジします。
そもそも僕の中で「官能」とはダダ漏れで、「教育」とは寸止めです。
プシャー!とキュッ!の間で何ができるかを考えるつもりです。
「性的欲望」「主人と奴隷」「フェチシズム」など
日常のルールでは一応フタがされているものを引っ張りだしてご紹介したいです。
もちろん一夜の夢です。今回は二夜か。
でも、やっぱりそういう夜もないとやってられない!
という感じでやりたいと思います。
是非観に来て下さい。
松井周
構成・演出・出演:松井周
1972年東京生まれ。
大学卒業と同時に劇団青年団に入団し、俳優として青年団の代表作に出演。
その後、作家・演出家としても活動をはじめ、処女作と2作目が立て続けに日本劇作
家協会新人戯曲賞入賞。
2007年に劇団「サンプル」起ち上げ、主宰と作・演出を担当する。2008、2009、2010年の岸田国士戯曲賞最終候補に連続ノミネート。
海外の戯曲を演出する機会も多く、同時に、自作が翻訳される機会も増え、2010年春
にはニューヨークタイムズで「日本における最も重要な演出家の一人」と紹介される
など、幅広い活躍を見せている。
上田遥(ハイバイ)
Produce lab89 presents
「官能教育」再演シリーズ第3弾
松井周 × マルキ・ド・サド『美徳の不幸』
構成・演出:松井周
出演:上田遥(ハイバイ)
松井周
第1ステージ
開場:19:00
開演:19:30
第2ステージ
開場:21:30
開演:22:00
*入れ替え制・全席自由
*1ステージは約1時間を予定しています。
チケット代:2,500円+ドリンク代
ご予約:Produce lab 89サイト
http://www.producelab89.com/