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湯山玲子presents 爆クラ 第43夜「岩井俊二世界の音楽を,クラシックの葡萄畑から取ってくる」

たとえば、音楽室から聞こえてくるピアノ、という状況があります。放課後、クラブ活動の人が早く来て練習しているか、誰かが遊んで弾いているのか、。日本人の多くが無意識にも体験し,思い起こすに、何か甘酸っぱく、不思議な時空の放課後のシーンですが、岩井俊二さんは、そういう奇蹟のような一瞬をすくい上げることにとてつもない才能を持った人。
「映画も音楽もまず、ひとりの作家を徹底的に咀嚼したことがなく、かといってあるジャンルをダイジェスト的に追いかけたこともない。じゃあ一体いままで何をしてきたのかというと、やはりどこかで同じ質感のものを偏執的にコレクションしてきたのは事実です。アスペルガー症に偏執的収集癖というのがあるそうですが、それに近いです」というのが、今回のテーマ決めにおいて寄せていただいたテキスト。
ならば、彼の「音楽収集癖」をキーワードに、小学校時代から彼のその収集癖コレクションに収蔵されてきた音楽をひもとき、その「味わい」と同じ果実を、クラシックの葡萄畑からとってきて、みんなで味わってみる、という企てができあがりました。(なぜ葡萄畑なのかは、当日のお楽しみ!)
テレビの深夜ドラマ時代には、シューベルトのアヴェ・マリアを使った「マリア」、ヴィヴァルディの四季・冬を使った「雪の王様」などクラシック音楽を使った作品も多いのですが、「音楽になる映画」または「映画になる音楽」といった、映像と音楽の関係も解き明かしていきたいと思います。

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ゲスト
岩井俊二(映画監督・映像作家・脚本家・音楽家)

高校生の時に映像制作に興味を持ち、大学時代に自主映画を撮り始める。91年TVドラマ「見知らぬ我が子」の演出でプロデビュー。93年、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はTVドラマだったにもかかわらず、日本映画監督協会の新人賞を受賞する。同作は95年に劇場で公開された。94年の「Undo」はベルリン国際映画祭でNETPAC賞を受賞し、「Love Letter」(95)は韓国をはじめアジアで大ヒット。以降、「スワロウテイル」(96)や、インターネット上で展開した自作の小説を映画化した「リリィ・シュシュのすべて」(01)、ウェブ配信された短編をもとにした「花とアリス」(04)などを発表し、国内外で高く評価される。近年はオムニバス映画「ニューヨーク、アイラブユー」(10)の一編や「Vampire」など、海外でも製作を行っている。「市川崑物語」(06)、「friends after 3.11 劇場版」(12)といったドキュメンタリー作品も手がける。プロデューサーとしても活躍。近作は、2004年に公開された実写映画「花とアリス」の前日譚となる物語で、初の長編アニメーション監督に挑んだ『花とアリス殺人事件』。

席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)

著述家、ディレクター。著作に『女ひとり寿司』(幻冬舍文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(角川文庫)、上野千鶴子との対談集「快楽上等!  3.11以降の生き方」(幻冬舎)。『ベルばら手帖 マンガの金字塔をオトナ読み』(マガジンハウス)、『文化系女子の生き方』(大和書房)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)、近著に『渇! 迷える女子の人生相談』(小学館)など。父君がクラシック作曲家、湯山昭という環境に育ちつつも、ハマったのはクラブミュージックで、著書『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)は、クラブ文化を都市や歴史風土の観点から分析、論考を行った。東京MXテレビ『ばら色ダンディー』金曜日レギュラー出演中。日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。

6.24(水)
湯山玲子presents
爆クラ 第43夜
「岩井俊二世界の音楽を、
クラシックの葡萄畑から取ってくる」

席亭:湯山玲子
ゲスト:岩井俊二

door open/19:15
start/20:00

料金;¥3000+ドリンクオーダー
¥1500+ドリンクオーダー(学割)