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湯山玲子presents 爆クラ 第44夜「リストマニア! 反田恭平のピアニズム」

「私は愛之助が、千代丸を名乗っていた頃から、目を付けていたのよ」と、これ全ての芸術関係ご贔屓筋の誉れですが、今回はまさにその体験をみなさまにしていただきたく思います。「反田恭平がまだ20歳の頃から、私、目を付けていたのよ」と!
4歳でビアノに触れてはいるが、12歳から本格的にレッスンをスタートした、という、幼児英才教育が当たり前のビアニストの世界ではスロースターターの彼ですが、めきめき頭角を現し、高校在学中に第81回日本音楽コンクール第一位、併せて聴衆賞を含む4つの特別賞を受賞し(それも、事前に文化祭のミュージカルで役者で出るための練習とオートバイ事故のアクシデントに見舞われながらの・・・)、第25回チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクールに優勝するなどの快進撃を続けています。(ちなみに、彼のピアノは、ホロヴィッツが愛奏したヴィンテージ・ニューヨーク・スタインウェイ。これは、彼の演奏に惚れ込んだタカギクラヴィア株式会社からの提供なり)

若干20歳。クラシック業界を震撼させている恐るべき才能、というわけなのですが、私が彼の才能に惹きつけられたのは、リストの「愛の夢 第三楽章」での演奏。このあまりにもお馴染みの曲は、クールを気取るツンデレ路線か、甘ったるいロマンチック、ズブズブ攻撃になるか、タダのキャッチーな名曲に収まってしまうか、の大変に難しい曲なのですが、彼の表現はアルペジオに押さえた官能性を漂わせ、情熱と諦観というそれこそ「恋愛のすべて」が込められているのに仰天。

20歳の今から、こんなセンスを持っているならば、末はいったい、どうなっちゃうんでしょうかねぇ、という、詩人のランボーや三島由紀夫みたいな存在なのですよ。
そして、デビューアルバムはフランツ・リストの曲ばかりを集めた「LISZT」。テクと美メロでしょ、と、ツウを気取るクラシックファンからは、少々煙たがられる作曲家に会えて挑むところに、確信犯ぶりも垣間見られます。
そういえば、実は今まで一回も爆クラで紹介されたことのないリスト。この際、その魅力を徹底的に取り上げ、新しい光を当てていくと共に、反田恭平というピアニストの「秘訣」にも迫っていきたいと思います。
そしてそして、今回、会場の「新世界」にピアノがある、ということで、もしかしたら、生演奏が聴けるかも!!!!!  是非、ご来来場下さい。

8.27sorita

ゲスト
反田恭平 そりたきょうへい
1994年9月1日、札幌市生まれ、東京都出身の20歳。
2012年 高校在学中に、第81回日本音楽コンクールで第1位、(高校生での優勝は11年ぶり、併せて聴衆賞を受賞)し、毎日新聞社主催による全国ツアーで好評を博す。
2013年、桐朋学園大学音楽学部に入学するも、2014年チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席(日本人初の最高得点)で入学。現在、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、セルゲイ・クドリャコフ、アナスタシア・ガマレイ各氏に師事。ロシアを拠点にし、国内外にて演奏活動を意欲的に行っている。タカギクラヴィア株式会社のサポートを受け、ホロヴィッツが愛奏したヴィンテージ・ニューヨーク・スタインウェイを弾く。
7月には日本コロムビアから初のCD『リスト』がリリースされた。9月には、東京フィルハーモニー交響楽団定期への異例の大抜擢を受け、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 を(指揮:Aバッティストーニ)、また、新日本フィルハーモニー交響楽団と「フレッシュ名曲コンサート」にてチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(指揮:円光寺雅彦)を演奏することが決定している。

若き天才ピアニスト、反田恭平のメジャー・デビュー・アルバム登場! ~ リスト

1994年生まれのピアニスト、反田恭平のデビュー・アルバム。
高校在学中、”第81回日本音楽コンクール”にて優勝し、2014年よりモスクワ音楽院に学ぶ反田。”ホロヴィッツが恋した楽器”として知られた銘器ニューヨーク・スタインウェイ(CD75)を使用し、精巧なテクニックと表現力をみせつける圧巻の演奏を収録。

1.ラ・カンパネラ ~パガニーニ大練習曲集 第3曲
2.愛の夢
3.スペイン狂詩曲(スペインのフォリアとホタ・アラゴネーサ)
4.コンソレーション(慰め)第3番
5.タランテラ ~巡礼の年第2年補遺 ヴェネツィアとナポリ から
6.超絶技巧練習曲から 第10番 Allegro Agitato Molto
7.超絶技巧練習曲から 第4番マゼッパ
8.水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
[ボーナストラック]
9.ビセー=ホロヴィッツ:カルメン幻想曲

席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)

著述家、ディレクター。著作に『女ひとり寿司』(幻冬舍文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(角川文庫)、上野千鶴子との対談集「快楽上等!  3.11以降の生き方」(幻冬舎)。『ベルばら手帖 マンガの金字塔をオトナ読み』(マガジンハウス)、『文化系女子の生き方』(大和書房)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)、近著に『渇! 迷える女子の人生相談』(小学館)など。父君がクラシック作曲家、湯山昭という環境に育ちつつも、ハマったのはクラブミュージックで、著書『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)は、クラブ文化を都市や歴史風土の観点から分析、論考を行った。東京MXテレビ『ばら色ダンディー』金曜日レギュラー出演中。日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。

8.27(木)
湯山玲子presents
爆クラ 第44夜
「リストマニア! 反田恭平のピアニズム」

席亭:湯山玲子
ゲスト:反田恭平

door open/19:15
start/20:00

料金;¥3000+ドリンクオーダー
¥1500+ドリンクオーダー(学割)