プログレッシブロック、略してプログレ。ご存じのない方にざっくりご説明すると、こちらは60年代の後半にイギリスに現れたロックのスタイル。ポッブスとしてのロックと言うよりも、アート、文学系。とにかく曲が長くて、それも歌が少ないインストで、コンセプトや世界観がいちいちはっきりしていて、大方、ドラマチック、というあたりがその特徴としてあげられます。そう、まるでクラシックとの共通項があまりにも多い、音楽ジャンルなのです。ちなみに、ELPというグルーブは、ムソルグスキーの『展覧会の絵』なんぞをカヴァーしたアルバムすら出しています。
もっとその特徴を言いますと、技巧的で変拍子、転調アリアリで、現代音楽や、民俗音楽、ジャズなどの他ジャンルのクロスオーバーを感じさせる独創的な表現が身上。ほら、何やら、爆クラではお馴染みの、ショスタコーヴィチやバルトークを思い起こさせますよね。実はブログレから、クラシック音楽にハマって行く人は非常に多いのです。
最近では、ブログレの名曲をクラシックに編曲し治し、オーケストラが演奏するなどという試みも人気を集めていますが、まさに今回のゲストは、ハイドンからブログレッシブロックのでのレパートリーを誇るモルゴーア・クァルテットのリーダーである荒井英治さん。
現在、日本センチュリー交響楽団の首席客演コンサートマスターであり、東京音楽大学教授でもある、荒井英治さんは、プログレの響きの中の何にその音楽心をつかまれたのか? 逆を言うと、クラシック音楽の中に存在する何の「要素」が、ロックという、もとはといえば、リズム&ブルースやカントリーに端を発した音楽の中に伝承され、生き返ったのか? そうして、クラシックとプログレ、双方が死んだなら、その墓碑銘(エビタフ)には何が描かれるのか!!!
爆クラが得意とする、「クラシック以外の音楽の中に存在する、クラシック的なもの、発見」の言わば、異母兄弟バージョン。
実は爆クラでは、初期に爆音クラシックならぬ、爆音ブログレも開催しているのですが、クラシックとの比較考察は今回が初めてでございまして、ロック好きには、非常に興味深一夜になると思います。
ゲスト
荒井英治
桐朋学園に学ぶ。
新星日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターを歴任する。
1992年、在京オーケストラの首席メンバーによりモルゴーア・クァルテットを結成。
ショスタコーヴィチの全曲を中心にレパートリーを広げ、ハイドンからプログレッシブ・ロックまで迫真の演奏で圧倒的な存在感を示し、多くのファンを獲得している。
またソリストとしても数多くのコンチェルトを演奏してきており、果敢な活動を続けている。
日本センチュリー交響楽団 首席客演コンサートマスター。
東京音楽大学教授。
席亭
湯山玲子(ゆやまれいこ)
著述家、ディレクター。
文化全般を独特の筆致で横断するテキストにファンが多い。
全世代の女性誌にコラム連載やコメントを多く発表している。
著作に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)、『ビッチの触り方』(ワニブックス)、上野千鶴子との対談『快楽上等! 3.11以降を生きる』(幻冬舎)、『ベルばら手帖』(マガジンハウス)、『文化系女子という生き方』(大和書房)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(角川書店)。
日本大学藝術学部文藝学科非常勤講師。
湯山玲子presents
爆クラ 第47夜
「クラシックとプログレの墓碑銘(エピタフ)」
ゲスト:荒井英治
(日本センチュリー交響楽団 首席客演コンサートマスター)
席亭:湯山玲子
開場:19:15
開演:20:00
料金
¥3,000(税込み)+ドリンクオーダー
¥1,500(税込み)+ドリンクオーダー(学割)